ナルコレプシーは治療できるの?すぐに治るの?
ナルコレプシーの原因はまだ完全には解明されていませんが、オレキシンという物質が欠損していることが分かっています。オレキシンを補う治療法はなく、ナルコレプシーの治療は日中の睡眠発作を防ぎ夜間の睡眠の質を上げるという対処療法になります。
ナルコレプシーの治療法は?
睡眠のリズムを整える
ナルコレプシーの治療で最も大切なことは、睡眠のリズムを整えて夜間の睡眠の長さと深さを確保し、正常な睡眠に近い状態にしていくことです。
寝る時間と起きる時間を決め、厳守します。入眠時間は遅くても夜12時までです。それ以上遅い時間まで起きているのはお勧めできません。
最初は寝つきが悪いとか、眠ってもたびたび目が覚めるという症状に悩まされるでしょう。ナルコレプシーは夜にまとめて睡眠をとり、日中は起きているという本来人間に備わっている睡眠構造が障害されていて、夜間まとめて眠ることができなくなっているのです。
入眠時の幻覚もつらいものです。ナルコレプシーは入眠後すぐに夢を見るレム睡眠に入ってしまうため鮮明な夢に悩まされるのです。大抵恐怖を伴うような内容で、同時に金縛りにも合うので大変困ります。
睡眠の状態を整えるために、入眠導入剤や精神安定剤を使用することもあります。
日中の眠気を防ぐ治療
ナルコレプシーで最も困るのは、突然訪れる強い眠気と入眠発作です。日中の眠気と睡眠発作を抑えるために、モディオダールという薬が処方されます。従来使われていたリタリンという薬よりも依存性が低く、副作用も少ない薬です。
また、午後2時までに短時間仮眠をとるのも有効な方法です。
情動脱力発作と入眠麻痺の治療
感情が強く動いたときに身体の筋肉が弛緩する情動脱力発作や、入眠時に金縛りをおこす入眠麻痺には三環系うつ病薬(アナフラニール・トフラニールなど)がよく効きます。
ナルコレプシーの治療期間は?
ナルコレプシーの治療を10年続けても完治する人の割合は10%です。現在の治療方法は対処療法に過ぎず、根本の原因を解決できないためです。現在「オレキシン受容体作用薬」の開発が進んでいます。ナルコレプシーが完治する日もきっとそう遠くはないでしょう。
現在のところ、治療は長い期間続き、治療期間がどれほどなのかは個人差があってはっきりとはわかりません。しかし、治療を続けると症状が軽くなる患者さんがほとんどです。
ナルコレプシーの治療には、本人が根気よく治療を続けることと、周囲の理解と協力が必要です。
>>天然成分のサプリメントで睡眠の質を上げるのも有効な方法です。
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