睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠とがあります。
レム睡眠は、身体が必要最小限の機能を残して眠りについている状態で、脳は活発に活動しています。
ノンレム睡眠とは、脳が必要最小限の機能を残して眠りにつき、身体は寝返りなどの動きを取ることができる眠りです。
ではなぜ、人間の眠りには、この2種類の眠りがあるのでしょうか?
レム睡眠とノンレム睡眠の関係
レム睡眠とノンレム睡眠の記憶に関する働き
レム睡眠中は、脳は活発に活動をしています。
しかも、起きているときに複雑な数学の問題を解いているような、非常に特別に頭を使っている時よりも活発に働いているのです。
人間は、起きているときは常に脳は眼や、耳や、鼻や、皮膚などから得た情報を分析し、過去の記憶をたどり、今起こっていることを分析し、今何をするべきなのかを判断しています。それと同時に、来週までの予定を考えたり、現実には起こりそうにないことを空想したりもします。
脳はつねに複数の課題を同時にこなしているのです。
日常的に常にベストな判断を下すように働いている脳ですが、その判断基準となっているのは、過去の記憶です。
過去の記憶から危険と判断できることを避け、利益になったことを優先して行います。
より安全に生きて行くためには、常に記憶を積み重ねていかなくてはなりません。
レム睡眠は、脳にとって起きているときにおこった出来事を分類し、海馬という記憶を司る場所に整理していく時間です。
この作業を行うために、脳は高度な数学の問題を解くよりもずっと活発に働く必要があるのです。
当然、こんなに大変な活動を長時間続けることはできません。
レム睡眠が睡眠の中で占める割合は、20%~25%程度です。
それ以外は、ノンレム睡眠によって、脳はゆっくりと休んでいます。
ノンレム睡眠が深まっていくと、脳神経は、一斉に同じリズムで発火するようになります。脳細胞の中で、同期が始まるのです。
この時、脳細胞は神経細胞自体のダメージを回復し、ネットワークを再構築し、記憶を強化してるのです。
昔の受験生は、3時間睡眠が当たり前で、4時間眠ると受験に失敗するといわれていました。
しかし、記憶を定着するためには、適度な睡眠が必要だということが分かってきました。また、記憶の強化は、学問の勉強だけではなく、スポーツなどの体を使った記憶や、ギターのコードを覚えるといった技術を習得するための記憶など、全ての記憶に共通することも分かってきました。
睡眠は、受験生にとっても、スポーツマンにとっても、趣味を楽しむ人のためにも、必要なのです。
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