夜勤のある仕事から健康を守る方法
昔から病院に勤務する職業に夜勤はつきものでした。今は病院や介護の業界だけではなく、様々な分野で24時間営業は珍しくなくなりました。深夜でも街は明るく、欲しいものは何時でも手に入ります。今や夜勤のある仕事に従事する人は全労働人口の20%を占めます。そんな世の中でも、夜勤のある仕事から健康を守る方法はあるのでしょうか?
夜勤が健康に与える影響
夜勤はどれほど健康に影響を与えるのでしょうか?
人間は本来朝起きて夜眠るという生体リズムを持っています。ホルモンバランスや自律神経などの働きはこの生体リズムに合わせて働いています。
夜遊びなどの一過性の徹夜では生体リズムが崩れることはありません。海外旅行で時差のある国へ行き、一時的に生体リズムが崩れても数日すると元のリズムに戻ります。
しかし、夜勤のある仕事に就くと、何年もの長い間定期的に夜勤を行うことになります。2交代勤務の看護師さんでは月に2回~4回夜勤を行います。定期的に夜勤を行うことで、生体リズムは徐々にくるっていきます。
生体リズムが崩れると、体内時計が乱れ、睡眠のリズムがくるっていきます。すると、寝つきが悪い、眠りが浅い、途中で目が覚めるといった睡眠障害が起こります。
生体リズムや睡眠リズムが乱れると、自律神経やホルモンバランスが乱れていきます。自律神経は内臓の動きを調節する大切な神経です。自律神経のバランスが崩れると、身体のいたるところに不調があらわれます。夜勤の人で最も多い自律神経症状は胃腸障害です。自律神経の乱れが続くと、自律神経失調症を発症する可能性もあります。
夜勤を長年行っていると、がんや認知症を発症する確率が高くなります。また、30年以上夜勤を続けていると、寿命が10年短くなるとも言われています。
夜勤から健康を守るには?
夜勤による健康被害から体を守るためには、何があっても生体リズムを崩さないことです。生体リズムは光と深い関係があります。
夜勤のない日の生体リズムをしっかりと保ちつことがとても大切です。そのためには、夜勤による時間の狂いをできるだけ早く解消することです。
夜勤に入る前には、30分ほど強い光を浴びるとよいでしょう。勤務中もできるだけ明るい環境で仕事をしたほうがよいですね。光を浴びることによって眠気を誘う「メラトニン」というホルモンが消失し、仕事中の眠気を防いでくれます。
携帯用の高照度光照射装置を使い、同じ夜勤仲間と光を浴びるとお互いに仕事のパフォーマンスが上がって仕事がスムーズに進むでしょう。
仕事が終わったら、サングラスで光が目に入るのを防ぎます。帰宅したら遮光カーテンなどで暗くした部屋で2~3時間睡眠をとります。
夜勤の日の午後は、身体が重たくて何もする気にならないかもしれません。それでも、一日中ごろごろしているのではなく、外に出かけ日差しを浴びるようにします。ゆっくり散歩をしたり、カフェでお茶を飲んでも良いでしょう。
大切なのは、夜勤明けの夜に普段と同じ時間に眠り、翌日の朝も普段と同じ時間に起きるということです。体内時計の一時的な乱れでは、生体リズムがくるってしまうことはありません。夜勤明けの休日に続けて夜更かしや朝寝坊といった夜勤に影響された生活を送ることでリズムが戻りにくくなってしまうのです。
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