睡眠時間は何時間とるのが理想的なのでしょう。
誰もが一度は考えたことがある疑問です。
睡眠学者にこの質問をすると、きっと「誰にでも当てはまる理想の睡眠時間はありません。」と答えると思います。
でも、あなたにとっての理想の睡眠時間は、ありますよ。
睡眠時間は何時間が理想的?
睡眠の周期
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠とがあります。
レム睡眠とノンレム睡眠は、一晩に何度も、交互に繰り返されています。
眠りにつくとまず、ノンレム睡眠があらわれます。その次に短時間のレム睡眠があらわれます。このサイクルを深さや時間を変えながら、交互に繰り返していくのです。ノンレム睡眠があらわれ、レム睡眠に移り、レム睡眠が終わって次にノンレム睡眠に移るまでを一つのサイクルと考えています。
眠りのサイクルは、だいたい90分だといわれています。
睡眠の周期から考える理想の睡眠時間
ノンレム睡眠の眠りは深く、レム睡眠の眠りは浅いと表現されます。レム睡眠の時に目覚めると、すっきりと目覚めることができるのですが、ノンレム睡眠の深い眠りに入っている時に目覚めると、しばらく寝ぼけた状態になり、すぐに体や頭を動かすことができません。なぜなら、ノンレム睡眠は、脳が眠っている状態だからです。
すっきりとした目覚めを得るためには、レム睡眠の時に目覚めるのが理想的です。つまり、睡眠のサイクルの終わりごろに目覚めるとよいのです。
理想の睡眠時間とは、睡眠のサイクルを何倍かした時間だと考えてよいでしょう。
ところで、あなたを含め、あなたの周囲の人たちは、大体何時間の睡眠をとっていますか?多くの人が、6時間前後の睡眠時間だと答えるのではないでしょうか。
現在から6年後に生存している人数が最も多い睡眠時間が何時間かを調べた研究があります。研究結果は、6時間~7時間半でした。6時間~7時間睡眠が、人間の体にとって一番負担のかからない睡眠だということが分かったのです。
睡眠時間のサイクルが90分だとすると、6時間では、4回の睡眠サイクル、7時間半では5回の睡眠サイクルが終わる時間とぴったりと当てはまります。
このことからも、睡眠時間は6時間~7時間半が理想的な睡眠時間だといえるでしょう。
自分にとっての理想の睡眠時間を探す方法
では、「あなたの理想の睡眠時間は6時間~7時間半ですから、今日から6時間眠るようにしたら睡眠不足から解消されますよ。」と結論付けても良いのでしょうか?
残念ながら、答えはNOです。
6時間~7時間半が人間にとって理想の睡眠時間だということは、間違いがないのかもしれません。でも、睡眠には個人差があるのです。
睡眠サイクルが90分だというお話を先にしましたが、この睡眠サイクルの周期にも個人差があります。睡眠サイクルは、70分から110分と、人によって時間が違うのです。
もしあなたが100分を人サイクルとする睡眠周期で眠っているとしましょう。1サイクルあたりたった10分の違いですが、4回のサイクルでは40分になってしまいます。つまり、6時間の睡眠時間を設定すると、ノンレム睡眠の時間に目覚めなければいけなくなってしまうのです。
理想の睡眠は、時間だけでは語ることはできません。
実は、時間よりも睡眠の深さの方が大切なのです。
最初のノンレム睡眠が浅い人は、睡眠の質が悪いと考えてよいでしょう。理想の睡眠の深さは、1回目が一番深く、徐々に浅くなって行きます。でも、その深さのサイクルにも個人差があるのです。
睡眠のサイクルを調べるためには、どうしたらよいのでしょう。
一昔前は、睡眠の質を調べるためには実験室で脳波を調べる必要がありました。しかし最近は、睡眠のサイクルを簡単に調べることができるようになりました。枕元に置いておくだけで睡眠の時間や質を計測することができる睡眠計や、スマートフォンで睡眠の質を調べることができるアプリを使うのです。
自分の睡眠の質と、理想の睡眠時間を自動的に割り出してくれるのです。
まとめ
人間にとって理想的な睡眠時間は、睡眠サイクルを90分として4倍~5倍の6時間~7時間半だと考えることができます。
ただ、自分にとっての理想の睡眠時間を決めるためには、自分の睡眠パターンを知る必要があります。睡眠計や睡眠アプリを使うと、簡単に調べることができるので、普段から満足できる眠りを得ることができていない人は、利用するのも一つの手段ですね。
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