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睡眠と香りの関係

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睡眠と香りの関係

 

アロマテラピーなどに使われる精油の中には、睡眠を誘う香りがあります。ラベンダーは睡眠を誘う精油の中でも代表的な香りです。ラベンダーの香りが漂う部屋でのんびりとした時間を過ごしていると、とてもリラックスできますね。

 

睡眠の質を上げる環境に、音や明かり、温度や湿度、寝具の事はよく話題にもぼります。聴覚や視覚は睡眠の導入や質に深いかかわりがあります。では、嗅覚はどうなのでしょう?良い香りの中で眠ると、眠りの質はよくなるのでしょうか?

嗅覚とは?

人間には、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚があります。感覚刺激は脳の視床下部を経て大脳皮質に届き、どのような刺激なのか、その刺激に対してどのような行動をとったらよいのかを判断します。

 

しかし、嗅覚だけは違う経路を通って脳に伝えられます。

 

空気中に漂っている匂いの素となる成分が鼻の奥に入ると、嗅細胞が電気信号に変え、脳に伝えられます。伝えられる場所は、脳の中でも本能や感情を司る大脳辺縁系という場所です。大脳辺縁系は、脳の中でも原始的な脳と呼ばれています。

 

人間は、野生の動物に比べて極端に嗅覚が退化しています。しかし、動物にとって嗅覚は、危険を察知し、食べ物を探し、交尾をする相手を選ぶ、いわば生きるために必要な感覚です。

 

原始的な脳に伝えられた嗅覚は、感情に直接働きかけ、匂いを察知した時に瞬時に「良い匂い」「嫌な臭い」という判断をします。また、大脳辺縁系には、海馬という記憶を司る中枢があります。においをかぐと、その匂いに関係する記憶が呼び起されたことは無いでしょうか?嗅覚は記憶と感情に深く関係のある感覚なのです。

睡眠中の嗅覚の働き

睡眠中は、視床下部の働きがシャットアウトされているため、どの感覚も脳に伝わりにくくなっています。

 

その中でも、嗅覚は特に覚醒反応を起こしにくい刺激です。大きな音がしたり、急に電気をつけられると目を覚ましてしまうことがありますが、火事など危機的な状況で発せられる臭いでも、人は目を覚ましにくいのです。

 

ですから、アロマをたいていて、その匂いが原因で目を覚ますという心配をする必要は無さそうです。

眠りを誘う香り

では、眠りを誘う香りというものは存在しないのでしょうか?

 

いいえ、香りは睡眠状態を改善するのにとても高い効果を持っていることが科学的に証明されています。

 

睡眠障害を持っている患者さんに2週間睡眠薬を絶ってもらいました。もちろん、睡眠薬を飲まない状態の患者さんは睡眠障害の症状を訴えるようになります。しかし、枕元にラベンダーのアロマをたいて眠るように伝えたところ、睡眠薬を服用したと同様の睡眠状態の改善が見られたのです。

 

 

sleepwell.hatenadiary.jp

 

香りが夢に影響を与える?

睡眠中に良い香りをかぐと良い夢を見、嫌なにおいをかぐと嫌な夢を見るという研究をした人がいます。睡眠中にバラの臭いを嗅いだからと言って、夢の中でバラの花束をもらうわけではありません。匂いの種類と夢の内容には相関関係はみられませんでしたが、良い匂いが快感情を呼び、良い夢をさそうということはあり得るようです。

良い香りは記憶をよくする?

嗅覚刺激が届けられる大脳辺縁系は、記憶に深い関係のある海馬のあるところです。嗅覚が刺激されると、突然昔の記憶がよみがえることがあります。また、嗅覚を刺激していると、記憶力がよくなるといわれています。

 

睡眠中に、良い香りをかいでいると、記憶力が良くなるといわれています。バラの香りのアロマをたいた部屋で睡眠をとった人がトランプの神経衰弱を行ったところ、正解率は97.2%でした。それに対して、アロマをたかずに眠った後の正解率は86%でした。

 

まとめ

嗅覚は動物にとって命に関わる大切な感覚です。人間は嗅覚が退化してしまいましたが、原始的な感覚として、本能や感情、記憶を司る大脳辺縁系に直接伝えられます。

 

睡眠中は視床下部の働きがシャットアウトされるため、嗅覚刺激も脳に伝えられにくくなります。アロマなどの嗅覚刺激によって夜中に目覚めてしまうことはありません。

 

アロマは眠りの質を改善し、記憶力をよくします。また、良い夢を誘ってくれるので、メンタルのコンディションを保つのにも良い働きがありそうです。

 

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