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睡眠時無呼吸症候群は本人の自覚がない睡眠障害

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睡眠時無呼吸症候群は本人の自覚がない睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群はここ数年で良く聞かれるようになった睡眠障害です。肥満体型でいびきをかく男性に多い睡眠障害で、睡眠中に呼吸が止まってしまう時間があります。呼吸が止まるために眠りが浅くなり、日中の眠気が強く大きな事故を起こしてしまう可能性が高くなります。

 

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は、中高年の肥満体型の男性によく見られます。男性の2~4%、女性の0.5~2%が睡眠時無呼吸症候群であるといわれています。加齢によって発症しやすくなるので、50歳を過ぎて大きないびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群にかかっている可能性を疑った方がよいでしょう。睡眠時無呼吸症候群は肥満体型の人に多いとされていますが、最近はやせ形の人もかかる可能性が高いということが分かってきました。

 

睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまいます。呼吸が止まったままでは生命に危険が及ぶため、覚醒します。呼吸が再開するときに大きないびきをかきますが、本人には自覚がありません。夜中に何度も無呼吸発作を起こすため睡眠時無呼吸症候群の人の睡眠は浅いノンレム睡眠と覚醒を繰り返しています。

 

このような睡眠状態が慢性的に続くので、日中ひどい眠気に悩まされます。無意識に眠りに居眠りをしてしまうこともあります。睡眠時無呼吸症候群の人は、そうでない人の7倍も交通事故を起こしやすいといわれています。また、慢性的に酸素の供給不足となり、高血圧や動脈硬化を起こしやすく糖尿病が悪化しやすくなります。

なぜ睡眠時に無呼吸になるのか

睡眠時無呼吸症候群は、次の3つのタイプに分類されます。

  1. 閉塞型
  2. 中枢型
  3. 混合型

睡眠時無呼吸症候群で最も多いのは閉塞型です。中枢型とは、脳幹の障害や循環器の以上によっておこるもので、非常にまれです。混合型は、閉塞型と中枢型の両タイプが並行して存在しているもので、こちらも非常にまれです。

 

閉塞型の原因は次のようなものです。

  • 肥満
  • 鼻閉
  • 小下顎症
  • 咽頭狭窄

いずれも、上気道が閉塞をおこしやすい状態です。閉塞型の患者さんは眠っている時に大きないびきをかきやすくなります。睡眠中は舌や喉の奥の筋肉が緩み、気道が狭くなります。狭くなった気導を空気が通る時に喉が振動していびきをおこすのです。

 

鼻閉などの形態異常があると、睡眠時に気道が狭くなるどころが閉じてしまいます。肥満の人は睡眠時に舌やのどの組織が重力によって下がって気導を塞いでしまうのです。このように睡眠時に気道が閉じてしまうことにより、無呼吸の状態に陥るのです。

睡眠時症候群と診断するための検査

睡眠時無呼吸症候群の検査では、睡眠ポリグラフィを使って睡眠状態を調べるか、パルスオキシメータという検査器具を使って動脈血酸素飽和度を調べます。

 

睡眠ポリグラフィを使って調べると、一晩にどれくらいの長さの無呼吸発作が何回起こったのかを調べることができます。睡眠時無呼吸発作がある人は、10秒以上続く無呼吸発作が7時間以上の睡眠の間に30回以上起こります。10秒以内の無呼吸発作は誰にでも起こりえることです。10秒以上の無呼吸発作は、異常な無呼吸とされています。睡眠時無呼吸症候群の人は、レム睡眠時には2分近く無呼吸が続くことがあります。

 

睡眠ポリグラフィを使うと、睡眠時無呼吸症候群の診断は確定することができます。しかし、睡眠ポリグラフィは検査を行うことができる病院に1泊する必要があります。そこで最近は在宅でも行うことができるパルスオキシメータを使うようになりました。パルスオキシメータは血液中の酸素飽和度を調べる装置です。睡眠時無呼吸症候群にかかっている人は、周期的な低酸素血症をおこすので、動脈酸素飽和度が特徴的な上下動のパターンを示すのです。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の原因が肥満の人には、次のような治療が行われます。

  • 減量:根本的な原因を取り除くため、最優先で行われます。
  • 禁煙:喫煙は動脈血酸素飽和度の濃度を下げるので禁煙します。
  • 禁酒:アルコールは気道の筋肉を弛緩させます。
  • 寝具の調整:横向きに寝るような習慣や、気道を確保する為に枕を高くします。

気道の閉塞をおこしやすい形態的異常がある人には、次のような治療が行われます。

  • 手術による形態の修正:口蓋扁桃アデノイド摘出術、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術
  • 経鼻的持続的陽圧呼吸:外部から圧力を加えて気道を開き酸素を送り込む
  • スリープ・スプリント:マウスピース

そのほか、睡眠時無呼吸症候群の治療は、つぎつぎと新しい技術が開発されています。

 

家族や友人に無呼吸やいびきを指摘されたことのある人や、日中の強い眠気に悩まされている人は、一度しっかりと検査を受けたほうが良いですよ。

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