睡眠時無呼吸症候群の枕の選び方
睡眠時無呼吸症候群になると、眠っている間に気道が塞がれてしまい、一時的に呼吸が止まってしまいます。「無呼吸」と呼ばれるこの状態は、喉の周りの脂肪や、舌の付け根が気道を塞いでしまうことが原因でおこっています。
睡眠時無呼吸症候群は、枕を代えると症状が改善することがよくあります。いくつかのポイントを押さえて枕を選び、睡眠時無呼吸症候群を改善しましょう。
睡眠時無呼吸症候群の枕選びポイント1 自由に寝返りが打てる
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が狭まり、空気の通り道がふさがれて無呼吸の状態が起こります。
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睡眠時は筋肉の緊張が緩んでいます。そのため、筋肉や脂肪、舌の付け根などが重力に引っ張られて、気道まで沈み込んでしまうのです。
沈み込んでしまう筋肉や脂肪、舌の付け根が気道を塞がないようにするためには、睡眠時の姿勢が大切なポイントになります。
気道を塞がない為には横向きの姿勢で寝るのが一番良いのです。横を向いた姿勢になると、舌の付け根が沈み込んでも気道を塞ぐことはありません。気道が狭くならないので、いびきをかくことも少なくなります。
でも、一晩中横向きの姿勢を維持するのは難しいことですね。横向きの姿勢を維持するということは、同じ向きの姿勢を維持するということです。
寝返りをうつときに必ず反対側の横向きになるということは難しいでしょう。寝返りをうつ間に、必ずあおむけで寝る時間が出てくるはずです。
横向きの姿勢を維持しようと思ったら、枕などで横向きの姿勢に体を固定する必要があります。でも、そんなことをしたら身体の一部が常に圧迫されることになり、血行不良による肩こりや腰痛、身体のゆがみがおこってしまいます。
睡眠時の無呼吸を防ぐためとはいえ、寝返りを妨げてしまうと、今度は肩こりや腰痛などの深刻な体調不良をおこしてしまいます。
睡眠時無呼吸症候群の枕選びを姿勢の観点から考えるのなら、横向きの姿勢がベストですが、自然に寝返りが打てるということも重要視しなければいけません。
睡眠時無呼吸症候群の枕選びポイント2 理想的な枕の高さ
では、睡眠時の無呼吸を完全に防ぐことは無理なのでしょうか?あおむけの姿勢になっている間の無呼吸は、あきらめなければならないのでしょうか?
そんなことはありません。あおむけ寝でも無呼吸を予防することはできます。
ポイントは、枕の高さです。枕は通常よりも高めの物を選んでください。そうすると、気道が開かれ、呼吸を妨げる舌や脂肪の気道への落ち込みを防ぐことができます。
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ところで、みなさんは首がどのような形状をしているのかご存知ですか?
首の骨は頸椎という小さな7つの骨が連なって構成されています。頸椎は緩やかなS字のカーブを描いています。
S字カーブの高さは、仰向けの姿勢になるとほとんどの人が3㎝になります。ですから、枕の高さが3㎝だと頸椎は自然な状態をキープすることができ、深い腹式呼吸ができます。
睡眠時間中ずっとこの理想的なカーブを保つためには、横向き寝の時ははあおむけ寝の時よりもよりも高い枕が必要です。
枕の中には、中央が低くなっていて、両端が高くなっている枕があります。仰向け寝の時の枕の高さが3㎝ならば、肩の高さを考慮して横向き寝の姿勢では5㎝の高さが理想です。
両端が5㎝で、中央が3㎝の枕。
この形状の枕なら、横向きの時は枕の両端の高い部分を使い、自然に低い位置に寝返りをうってあおむけになるというわけです。自由自在に寝返りをうつことができ、体はとても楽になります。
自由に寝返りをうつためには、枕の広さも重要です。寝返りをうっている間に枕から頭がはみ出てしまっては、枕を選ぶ意味がありません。
できれば、枕の横幅は65㎝~70㎝以上のものを選びたいものです。
睡眠時無呼吸症候群の枕選びポイント3 理想的な素材
睡眠時は、脳の中の温度は低くなっています。活動時よりも低い温度の方が脳が安らかに休養できるのです。
脳が低温な状態を保つために、頭から伝わってくる体温を速やかに外に逃してあげる必要があります。
枕の中で体温がこもって蒸れてしまうと脳の温度が上がってしまい、睡眠の質が悪くなってしまいます。良質の眠りのためには、枕の通気性がとても大切なのです。
枕の中綿は、汗を素早く吸い取り、発散させてくれる、吸湿性と発散性に優れた素材を選びたいものです。
通気性を重視するのならソフトパイプがおすすめです。通気性がよいだけではなく、ダニがよりにくいのでアレルギー対策にもなります。ただ、ふかふかした感触を味わえないのが残念ですね。
頭にかかる圧力を分散してくれる低反発素材はとても良い素材ですが、体温がこもってしまいます。
ふわふわした柔らかい質感と、「蒸れない」ということは、なかなか両立が難しいのです。
しかし、枕用に開発されたウール、「エクセレントノップス」は柔らかさと吸湿性、発散性の枕に必要不可欠な要素をすべて兼ね備えた素材です。適度な弾力性と形状記憶性に富んでいるので、へたり難く頸椎へのフィット感がとても良いのです。
「エクセレントノップス」を使った枕は希少ですが、もし出会えたならば迷わず手に入れてほしいと思うほどおすすめの素材です。
「エクセレントノップス」にせよ、ソフトパイプにせよ、「通気性がよい」ということに気を配っている会社は、眠りのメカニズムを熟知していると断言できます。
睡眠時無呼吸症候群の枕選びポイント4 日常のお手入れ
枕は汗やよだれでとても汚れます。枕カバーはできるだけこまめに洗濯をし、枕本体も天日干しをして清潔を保つようにしましょう。
できれば、枕ごとざぶざぶ洗うことができたらよいですよね。丸ごと洗って天日に干した枕は、さぞ気持ちがよいことでしょう。
「枕が洗える」と明記していても、洗ったとたんに型崩れしては意味がありません。中綿に形状記憶機能があり、もみほぐしなどで元の状態に戻ることが、お手入れ方法に明記されているかどうかをチェックしてください。
睡眠時無呼吸症候群の枕選びポイント5 枕の耐久性
「せっかく高い枕を買ってもすぐにへたってしまう。」という声を良く聞きます。しかし、頭は自分が考えているよりもはるかに重たいものなのです。
重たい頭が毎晩一晩中転げまわるのです。それなのに、素材は柔らかく肌あたりのよいものを求められます。こう考えると、枕に耐久性を求めるというのは少し酷だといえるでしょう。
枕の耐久年数は、3年程度だと考えておいた方がよいでしょう。
枕にかけられるコストは人それぞれです。たとえば、枕に10000円かけてもたいして高くないと感じる人もいれば、「たかが枕に10000円なんて!」と思う方もいるでしょう。
ですが、睡眠の質が悪いことによって、健康にとてつもない悪影響が及ぶことを前提に枕を選ぶとしたらどうでしょう。
睡眠時無呼吸症候群は、深い眠りを得られないため、日中は激しい睡魔に襲われます。交通事故を起こしてしまったり、仕事で重大なミスをしてしまったりといった取り返しのつかない事態を招く可能性があります。
また、深い眠りにつけないと、細胞を修復する成長ホルモンが分泌されず、免疫機能が低下します。美容に悪いだけではなく、癌や生活習慣病を招く危険性もあるのです。
ですから、3年おきに買い替える枕は機能重視で選ぶことを強くお勧めします。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群を改善する枕の選び方は次の5つのポイントが大切です。
- 横向き寝が楽で、寝返りを邪魔しない形
- 頸椎のカーブを保つため3㎝の高さの枕
- 吸湿性と発散性に優れている
- 洗っても型崩れしない
- 価格に見合った機能がある
この5つのポイント全てを兼ね備えた枕を探すのはなかなか大変かもしれません。でも、睡眠時の無呼吸は日中の眠気のために大きな事故を起こしてしまう可能性があります。生活習慣病を悪化させることも分かっています。
自分のために、家族のために、自分に合った枕をぜひ探してください。あなたにあった枕に一日も早く出会えることを願っています。
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