寝不足だとイライラしてしまう理由
寝不足の日は、いろいろなことがかみ合わず些細なことでもイライラしてしまいます。寝不足は自分が思っている以上に脳にダメージを与えてしまっているのです。寝不足によって人の脳にどのようなダメージが起こり、イライラを引き起こすのか考えてみましょう。
寝不足が扁桃体に与える影響
日中、脳はとても忙しく働いています。外部からの刺激を分析し、過去の経験と照らし合わせ、取るべき行動を判断し、適切な行動をとるように命令をする。そのような働きを起きている間中同時進行で行い続けているのです。
仕事で疲れたら、体を休めて疲労を回復しようとします。脳も同じです。脳は睡眠によって疲労を回復しているのです。
しかし、寝不足の状態になると充分に脳が疲れを修復することができずに日中活動を行うことになります。脳は疲労しているので、十分に機能することができません。
寝不足の日の脳は、機能低下を起こしています。
ところで、人間の感情はどこにあるかご存知ですか?
感情の動きをコントロールしているのは、脳の中の「扁桃体」という場所です。扁桃体は脳の奥の方にあって、人間の感情や記憶を統括しています。寝不足の日は扁桃体の働きもスムーズにいきません。
寝不足の日にいらっとしやすいのは、扁桃体の働きが上手く行っていないからです。
寝不足が脳内物質に与える影響
寝不足になると、脳内伝達物質の一つ「セロトニン」の分泌が足りなくなります。
脳内伝達物質とは、脳細胞から脳細胞へ信号を送るための物質です。脳内伝達物質にはたくさんの種類がありますが、「ドーパミン」と「アドレナリン」は有名ですね。
「ドーパミン」も「アドレナリン」も神経を高ぶらせ、脳に快感をもたらせる物質です。「ドーパミン」も「アドレナリン」も活動的に動くためには欠かせない物質ですが、量が多すぎるとよくない影響が起きます。
脳内伝達物質は、バランスがとても大切なのです。
「ドーパミン」や「アドレナリン」の分泌をコントロールしているのが「セロトニン」です。
寝不足の状態になり、「ドーパミン」や「アドレナリン」の分泌が量が足りなくなると気分が落ち込んだり、些細なことで切れやすくなり、情緒が安定しなくなります。
寝不足がホルモンに与える影響
コルチゾールの乱れ
睡眠はホルモンの分泌をコントロールしています。抗ストレスホルモンである「コルチゾール」もその一つです。
人はストレスを受けるとそのストレスと闘おうとする反応が身体の中で起こります。「コルチゾール」はストレスに対抗する反応の代表選手です。ストレスを感じると「コルチゾール」の分泌量が増え、交感神経を刺激し、血圧を上昇させるなどの反応をおこします。
コルチゾールは通常明け方から増え始め、朝にピークを迎え、徐々に減少して夕方には最低の量になります。しかし、睡眠のリズムが狂うと、コルチゾールの増減のリズムがくるってしまいます。夜になっても減少せず、交感神経が優位の状態が続きイライラしやすくなります。
イライラは睡眠不足の原因になります。睡眠不足が更なるコルチゾールのリズムを乱しさらにイライラしてねむれなくなる・・・、という悪循環に陥る可能性もありますね。この悪循環が続くと、脳細胞が破壊されていきます。
成長ホルモンの不足
睡眠中には、脳だけでなく身体もメンテナンスされます。身体のメンテナンスを行うホルモンの代表選手が「成長ホルモン」です。
「成長ホルモン」は睡眠中にシャワーのように体中に分泌され、日中に壊れた細胞を修復してくれます。
「成長ホルモン」は睡眠の質に影響されます。睡眠が浅いと分泌されず、身体の細胞が修復されないため疲労がたまり体調を崩しやすくなります。
寝不足の日は、体がだるいと感じるのではないでしょうか。これは、睡眠中に細胞の修復が充分に行われなかったためです。
疲れがたまった身体と、機能を十分に果たせない脳で仕事をしても、思うようなパフォーマンスは得られないでしょう。
思うようにいかない自分が一番のイライラの原因になるのではないでしょうか?
まとめ
寝不足になると感情をコントロールする扁桃体が上手く働きません。
それに加え、気持ちを高ぶらせ、イライラした気持ちになりやすい脳内伝達物質をコントロールするセロトニンの分泌が足りなくなります。
睡眠不足はホルモンにも悪い影響を与えます。抗ストレスホルモン「コルチゾール」が増えて、交感神経が働きやすくなり、イライラしやすくなります。
成長ホルモンが分泌されず、疲れが解消されないのもイライラの原因になります。
これらの不調による影響と、感情のバランスをとる扁桃体の不調でイライラしやすくなってしまうのです。
スポンサードリンク