ラベンダーに睡眠効果は本当にあるのか?
ラベンダーの香りには睡眠効果があると言われています。では、ラベンダーがどのように人を眠りに導くのでしょう?ラベンダーが持つ効果を科学的に検証していきましょう。
ラベンダーが自律神経に与える効果
ラベンダーの匂いの成分は、鼻から吸い込まれた後気管から肺胞へと入っていきます。肺胞でガス交換によって、血液に入り込み、身体の中に循環していきます。
脳は身体の中ではとても大切な場所です。ですから、異物が入り込まないよう血管脳関門というフィルターが存在します。非常に優秀なフィルターなのですが、ラベンダーなどの香りの分子はこのフィルターを通り抜けることできます。
ですから、ラベンダーの香りは脳に直接作用するのです。
匂いの刺激は感情や記憶を司る大脳辺縁系と、自律神経を司る視床下部にダイレクトに届きます。
大脳辺縁系は匂いの刺激を「快(安全)」「不快(危険)」に判断します。そして、すぐそばにある海馬から臭いに関係のある記憶を呼び覚まします。
ラベンダーの香りは心地よく、気持ちが安らぐ香りとして広く知られています。ラベンダーの香りと共に想起される記憶は、優しくぬくもりにあふれた記憶なのでしょう。
大脳辺縁系の反応によって「不快(危険)」と判断された匂いは、交感神経や免疫機能を働かせ、危険な事態に対応するための体勢を整えます。
「快(安全)」だと判断された匂いは副交感神経を働かせ、必要のない免疫機能には休むように命令します。
副交感神経は身体を休息に導く働きがあります。睡眠時には、副交感神経が働いていなければ寝つきが悪くなり、眠りが浅くなります。
ラベンダーの香りは副交感神経を働かせ、身体に眠りの準備をするよう促します。
ラベンダーが脳内物質に与える効果
ラベンダーの匂いには酢酸リナリルという物質が含まれています。
酢酸リナリルは縫線核という脳内のセロトニン工場に働きかけてセロトニンの分泌を促します。
セロトニンは、ドーパミンやアドレナリンといった興奮系の脳内物質の働きを抑え調節する働きを持っています。セロトニンが充分に働いていると、気持ちは穏やかになります。
セロトニンは睡眠のリズムにも深いかかわりがあります。
セロトニンは、日中は交感神経の働きを活発にし、心身ともにはつらつと活動できる状態に整えてくれます。一方で、セロトニンはメラトニンというホルモンに変化します。
メラトニンは体内時計をコントロールしています。朝日を浴びると体内時計をリセットし、規則正しいリズムを作ります。
体内時計のリセットは、メラトニンが太陽の光を浴びて消失することで起こります。日中はメラトニンは体内にはありません。夕方、日が傾きかけたころセロトニンからメラトニンの生成が始まり、夜の9時ごろから分泌量は急激に増え、身体が眠りにつくよう準備を整えます。
メラトニンの材料になるセロトニンが不足するとメラトニンは十分生成されません。
ラベンダーの香りは、セロトニンの分泌量を増やし、心を落ち着かせるとともに、睡眠のリズムを作っているメラトニンという大切なホルモンの生成も助けているのです。
ラベンダーが脳波に与える効果
脳波は周波数によってγ(ガンマ)波、β(ベータ)波、α(アルファ)波、θ(シータ)波、δ(デルタ)波に分けられます。
γ波は目をあけて視覚情報を処理しているときに現れ、β波は計算など集中している状態の時に現れます。α波はリラックスしている状態の時に現れる脳波で、θ波とδ波は眠っている状態の時に現れます。
脳波を測る電極をつないでから、ラベンダーの匂いを嗅ぐという実験をしたところ、脳波には顕著にα波があらわれました。ラベンダーの匂いを嗅ぐとリラックスするということは、脳波のデータでも明らかになったのです。
まとめ
ラベンダーの香りは、副交感神経を優位に働かせます。また、ラベンダーの香りの成分である酢酸リナリルは、セロトニンの分泌を増やします。
セロトニンは興奮系の脳内物質の働きを抑え、気持ちをリラックスさせます。ラベンダーの香りをかぐと、副交感神経とセロトニンの働きによってリラックスするということは脳波の測定でも証明されています。
また、セロトニンが増えることによって体内リズムを整え睡眠に導くホルモン、メラトニンが生成され、規則正しい睡眠のリズムが保たれます。
ラベンダーに睡眠を促す効果があるということは本当の事のようですね。
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