睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠とがあります。
レム睡眠は、身体が眠っていて、脳が働いている眠り。
人間にとって、必要不可欠な眠りです。
レム睡眠と交互にやってくる、ノンレム睡眠は、どんな働きをしているのでしょう?
ノンレム睡眠の働き
脳を休ませるための眠り
レム睡眠とノンレム睡眠は大体90分周期で繰り返されます。
そのうち、ノンレム睡眠の長さは80~90%を占めています。
ノンレム睡眠には4段階の深さがあって、睡眠の最初のサイクルで一番深い眠りがやってきます。
ノンレム睡眠の時間は、脳の神経細胞の活動は低下し、休息した状態になっています。
しかし体は、寝返りをうつなどの無意識の活動ができる状態になっています。
よく、ノンレム睡眠は「体が起きていて、頭が眠っている状態」と表現されます。
人は疲れた時、短時間の仮眠をとることがあります。
仮眠をとる時は、短時間でノンレム睡眠に落ちています。10分~20分程度の仮眠でも、頭がすっきりするのは、ノンレム睡眠によって脳が休息したためです。
記憶を強化するための眠り
記憶の整理は、レム睡眠時に行われていると考えられていました。
確かに、レム睡眠時には脳が日中の活動時間よりも活発に働いて情報の整理にあたっています。
しかし最近の研究で、ノンレム睡眠も記憶の強化に重要な働きをしていることが分かってきました。
ノンレム睡眠の深い眠りに落ちると、それまでバラバラに働いていた脳の神経細胞が、一様に一定のリズムで動くようになります。
眠りが深ければ深いほど、神経細胞の発火はゆっくりとした一定のリズムで同期していきます。
この時に、脳の中では、神経細胞や、そのつながりをメンテナンスしているのです。
脳細胞のネットワークをメンテナンスするためには、脳が休んでいる方が、都合がよいのです。そう、お店がお客さんの出入りがある開店時間に改装を行うよりも、いったんお店を休業して改装したほうが都合がいいのと同じです。
動物を使った実験でも、眠りを奪ってしまうと記憶に問題が起こることが分かっています。
身体をメンテナンスするための眠り
身体の健康を維持するためのホルモンは、ノンレム睡眠の深い眠りの時に作られることが分かっています。
副交感神経が優位に働き、眠りが深いほど呼吸や脈拍がゆっくりになります。
この時に身体の細胞は修復され、エネルギーが保存され、脳と体の疲労が回復するのです。
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